存在感をます外国人労働者たち
介護現場で、外国人の存在感が増している。
Y市で、女性入居者(89)と一緒に、インドネシア人介護職員のリア・ワロカさん(32)が日本のうたを口ずさんだ。日本の歌はスマートフォンの無料動画サイトで覚え、歌詞カードを見ながら女性から漢字を教わった。「いい歌をたくさん覚えました」とほほ笑んだ。
リアさんは2009年に来日し、働きながら13年に介護福祉士の国家試験に合格した。今は、インドネシア人の夫(35)と昨年12月に生まれた長女と3人で暮らす。
母国で看護師の資格を取った。父親(58)は肺炎で薬が手放せず、履物を売る仕事を母親(55)が担う。両親は自宅の土地を売って看護学校の学費を賄ってくれた。「日本で介護を学びながら働き、恩返しをしたかった」。合格前は毎月、家族に仕送りし、今は、妹の大学の学費を支える。
日本語に慣れない当初、日々の業務記録は、いったんメモ用紙に書いて日本人職員に確認してもらい、清書した。辞書を手に先輩が書いた記録を読んでまねた。「工夫をしてだんだん書けるようになり、自信がついた」と言う。
それから9年。出産前には、職員5人を束ねるリーダーとして介護の方針を決める立場にもなった。今年8月には入居者の体調の変化にいち早く気づき、救急車で病院に搬送したことも。家族から感謝され、「日本人と同じようにプロとして見られていることがうれしかった」と言う。
この記事をあなたはどう読むでしょうか?